本家具は、市民や観光客の憩いの場所として様々なワークショップ、展示がされる青葉山公園仙臺緑彩館に設置される家具です。
デザインにあたり、常設的な利用から様々なイベントにも利用者のニーズに応じて対応できるような柔軟な使い方ができる家具を求められました。
テーブル(下段)、ベンチ棚×2(中段、上段)の3 台から構成されており、それらの重ね方を変えることで様々なバリエーションの使い方ができるようにしました。
色違いの家具が計4セット(赤身×2、白太×2)あり、それぞれの家具を組み合わせを変えることにより、より多彩な使い方ができ、使い手の行為を創発する家具を目指しました。
デザインは、展示物等が主役となるようにシンプルなデザインを採用しつつも、空間の抜け感を意識し家具による圧迫感がないように心がけました。
将来的な量産も視野にいれ、複雑な施工法や特殊な金物は採用せず、貫、継ぎ手、ビスによる住宅などで一般的に採用さる納まりとし、地元の大工職人による制作ができるようにしました。
使用材料について
本家具の材料は、地元県産材(南三陸杉)のFSC 認証杉材です。杉は日本の固有種であり、最も身近な木材として古くから現在に至るまで建築、インテリアと様々な分野で活用されてきました。
杉の特徴は、赤身と白太の色の明瞭さ、柔らな質感による優しい印象、柾目、板目の木目美しさです。それら特徴をいかした材料選定を行いデザインしました。
また、家具を重ね合わたときの一体感を出すため、脚部には柾目を採用し、各段の木目が連続するように部材を選定しました。