設計事例

土間のある暮らし

団地から街中へー築45年のマンションをフルリノベーション

子どもの独立を期に引っ越しやリノベーションをする人が増えています。子育て中は部屋数が欲しくなりますが、子どもが社会人となり別の場所で住むようになると、普段使わない部屋が増えて持て余してしまいます。
今回のケースも同様で、新たな夫婦二人の生活をするために、子育てがしやすい団地から利便性の高い街中へ引っ越し、購入したマンションをフルリノベーションしました。

これから作り続ける住まい

もともと3DKだった間取りを思い切ってワンルームの広い間取りに変更しました。
無垢の床材(南三陸杉)と合板の壁、コンクリートがむき出しとなった室内はカフェのような店舗のような不思議な雰囲気がします。それは従来の間取りののように、この場所が書斎なのか寝室なのかリビングなのか分かりにくいからだと思います。

あえて用途を決めず、区切らないこのワンルームの間取りは、日々の生活を楽しみたいご夫婦がこれからの時間をかけて好きにカスタマイズできるように、必要最小限の造り付けの家具と間仕切りで計画されています。
未完成のような合板の壁はどこでも好きに壁に棚などを取り付けることが可能です。

梁下に貼れた合板はコンクリートの天井にアクセントを与えるだけでなく一つ工夫がされています。
合板の裏にミゾを掘りハンガーなどを掛けらるようにしました。このマンションはベランダに洗濯を干すスペースがないため、この合板が変わりの役目を果たしたり、他にも色々引っ掛けることができます。

土間のある暮らし

玄関を入ると広い土間空間があります。この場所もまた用途が特に決まっていません。
観葉植物を置いたり、自電車を置いたり、ベンチをおいてインナーガーデンのような雰囲気にすることもできます。
この面の壁は、半屋外のように感じられるように他の白い壁とは異なりコンクリート素地のままとしました。
これからどのように使われていくか楽しみです。

その他の部屋

物件概要

  • 専有面積 約45㎡
  • 構造 鉄骨鉄筋コンクリート
  • 用途 集合住宅
  • その他 ㈲lideal在籍時に設計監理及び現場監督を担当した物件です
ABOUT ME
Haruka Chiba
一級建築士 仙台・宮城を中心に住宅の新築・リノベーションの設計をしています。 Blogにて設計以外の日々の暮らし、仙台についての情報発信をしています。